聖なるズーという本を読んだ

 

ズーとは、ズーファイルの略。動物を性愛の相手と考える人々の事。動物とセックスする人々の異常な生活を糾弾する話かと思ったら、全然ちがった。いかに自分のような”普通の人々”が、人間と動物との間に線を引いて世界を認識しているかということに気が付かせてくれる本。

ドイツには、”ズー”の人々の団体がある。日本人の著者は、そのズーの人々と生活をともにしながら、彼らの考えやパートナーとの生活を観察して、いろいろな知見を得る。

ペットとして動物を可愛がるというのは人はたくさんいる。でも、ペットとして可愛がるいうのは、動物を子供のようなものとみなしているということ。

子供と一緒なのでペットの動物たちの性には注意の払わない。社会が要請するがままに、去勢をしたりする。

しかし、ズーの人々はそういう風にな範疇で動物をく括らない。動物には、当然、性があるものとして、そして対等な存在として接する。そして、両者が望めば、セックスに至る。なるほど。境界が我々よりも、かなり広い人々なのだ。

しかし、本の中には、ズーがベジタリアンだという記載はなかった。ズーの人々と食事をするシーンが出てくるが、ベジタリアンならベジタリアンと書くであろう。たぶん、ズーの人々もそこには線を引いているのかもしれない。責めているわけではないけど。人間どこかに、線を引かないと生きていけないよな。