タコつぼ型心筋症で、母、あやうく命を落としかける。

 

年末、東京の家を引き払い、荷物を実家に運んだ。数カ月間の短い間だけ、東京を離れようと思ったからだ。母は、結構な高齢だけれども、張り切って荷物を運ぶのを手伝う。

すると、引っ越しの翌日から、母が腰が痛いし、息切れもすると言い出す。そして正月の間、ずっと調子が悪そうにしている。

でも、それまではいたって元気だったので、引っ越し張り切りすぎて、ちょっと疲れただけだろうと本人も家族も思っていた。血圧を測ってみると信じられないくらい低い。あまりにも低いので、血圧計が壊れているのだろうと思った。夜、心臓がびっくりするぐらいドキドキするとも言っていた。この時点で、どこかの病院の緊急外来に行くか、救急車を呼ぶべきだった。

正月が開けて、母がかかりつけの医者にいくと、心筋梗塞が疑われるということで、そのクリニックから救急車で病院に搬送される。病院から携帯に電話がかかってきて、これからカテーテルを挿入して心臓の血管がつまっていないか検査、詰まっていたらそのまま緊急手術と言われる。

父親と連れて病院にあわてて行く。検査の結果を不安な気持ちで待ち続ける。母が、検査室からベットで運ばれる。すると、医者は、心臓の血管はつまっていないので心筋梗塞ではなくて、たこつぼ型心筋症だという。なんか、心筋梗塞よりも深刻じゃなさそうなので、ちょっとホッとする。

しばらくして、担当した若い医師がたこつぼ型心筋症の説明をしてくれる。原因はよくわかっていないようだけれども、精神的ストレス、肉体的ストレスが引き金となって、心臓がたこつぼ型になって、正常な動きが乱れてる病気らしい。心筋梗塞に似た症状がでるけれども、通常は時間の経過とともに正常に戻っていくと聞かせれる。

それを聞いて、一安心。病院で、入院に関する書類を書いたり、看護婦さんに渡されてた入院に必要なものリストをみて、コンビニに必要品を買っていた。

ところが、病院のコンビニで買い物をしている間に、父から電話がかかって来て、母の様子が急変したという。コンビニで、買い物を済ませて、集中治療室前で、待つ。。

小一時間ほどで、先生が出てきて、病状を説明知る。たこつぼ型に歪に変形していた心臓が脈動の再にどうやら、破けたらしい。(心破裂)そして血圧が下がって、なんどか心肺停止に陥った。いまは、大量に輸血をして、心臓も動いているけども、どうなるか分からないと告げられる。

自分の引っ越しのせいで、元気だった母が急に命の危険に陥っている。あまりに急なことなので、なにか信じられない。

その後も、一時間ほど、集中治療室まで、待ち続ける。先生が出てきて、もう一度説明がある。

心臓膜の中に液体が溜まっているけれども、心臓はやぶけていない。心筋梗塞の検査のために入れたカテーテルが。血管を傷つけたのだろう、そこから出血のために、血圧が下がった。母は血が止まりにくい体質のために、血圧の下がりが大きく、また心臓もたこつぼ型心筋症を発症しているため、不安定だったために、心臓がなんどか止まりかけた。との説明。

心破裂と聞いたときには、病院も宿泊を用意するといっていた。そのまま亡くなる可能性が高いと判断したためだったのだろう。でも、カテーテルによる出血が止まり、状態が安定したので、僕と父はもう家に帰っていいと言われて帰宅する。

夜12時に帰宅。でも、その日は興奮で殆ど寝れない。まあ、ちょっとかかりつけのクリニックに行くと言っていた母が、心筋梗塞の疑いで病院に緊急搬送されショックを受けて、別のそんなに重くない病気を先生がつげられホッとしたあとに、心破裂と先生から告げられれて、母は死ぬかもしれないと覚悟しなければならなかった。めったに経験できない体験をした一日だった。

いま、母は一般病棟に移って、リハビリ中。もうしばらくしたら、退院できるかもしれない。

自分の引っ越しのせいで、大変な目にあわせてしまった。元気になったら、またいろんなことろに連れて行ってあげようと思う。